協議、調停、裁判離婚の特徴

離婚を成立させる協議、調停、裁判離婚の違いと特徴を紹介

協議、調停、裁判離婚の違いと特徴

離婚をするとき、夫婦お互いが離婚をすることに合意しており、離婚条件でも合意することができれば問題は起きないのですが、全ての夫婦が話し合いで解決できる訳ではありません。
このような場合には、調停や裁判を行い離婚を成立させる方法を考える方もいると思いますが、調停や裁判について詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。

協議、調停、裁判とと言う言葉は聞いたことがある方が多いと思いますが、どの様な違いや特徴があるのかを理解している方は少ないと思います。
そのためか、調停や裁判を避けたいと考える方も多いと思いますし、お金や時間が掛かると思って躊躇してしまう方も居るでしょう。
協議、調停、裁判離婚の違いと特徴について紹介していきたいと思います。

離婚が成立しない原因は様々

夫婦関係が破綻しているのに、どうして離婚が成立しないのか不思議に思う人もいると思いますが、離婚問題はそれ程簡単なものではありません。
夫婦関係が破綻している夫婦であっても、離婚後の生活を考えて離婚をしたくないと考える人もいますし、感情的な部分や世間体を気にして離婚に同意しない方もいるでしょう。また、離婚には同意していても、親権、財産分与、慰謝料などで折り合いがつかず離婚が成立しないことも少なくありません。

離婚が成立しない原因として多いもの
 ・どちらか一方が離婚することに同意しない。
 ・財産(負債がある場合には負債も)の分与で合意ができない。
 ・子どもがいる場合には親権者で合意ができない。
 ・養育費の取り決めで合意ができない。
 ・離婚原因によっては慰謝料の請求で合意ができない。

これらの問題がお互いに合意できれば離婚は成立するのですが、現実としては争いが起きるケースも少なくありません。
また、夫婦の話し合いで話がまとまっていた場合であっても、両親が反対をして問題が複雑になってしまうケースも少なくありません。
このように、夫婦間で離婚が合意できないときには、調停や裁判で離婚を成立させる必要が出てきます。

協議、調停、裁判離婚の基礎知識

夫婦が離婚をするときには、夫婦双方の同意が原則として必要となります。
そのため、夫婦のどちらか一方が離婚に同意しない場合には、原則として離婚を成立させることができません。ただし、法廷離婚時由に該当する事実がある時には、相手の合意がなくても裁判で離婚を成立させることができる場合が有ります。
また、離婚条件も夫婦双方の同意が原則となりますが、これらの問題は夫婦間で対処する必要があるものです。夫婦間で合意ができないときには、調停や裁判により合意条件を決めていく必要が出てきます。
法廷離婚時由については、離婚が成立する条件をご確認ください。

離婚や離婚条件に同意できない場合には、以下の離婚方法を順番に進めていくことになります。
 ・「協議離婚」お互いの話し合いでの離婚
 ・「調停離婚」調停委員による仲介役を利用しての話し合いで離婚
 ・「裁判離婚」裁判所の判断で強制的に離婚を成立させる

現在の日本では協議離婚が最も多く、離婚全体の90%で協議離婚が成立しています。調停離婚がおおよそ8%になり、裁判離婚は全体の1~2%と言われています。

協議離婚

協議離婚とは、夫婦の話し合いにより成立する離婚のことを言います。
非常に簡単に言うと、お互いに離婚届けに署名捺印をして提出すれば離婚が成立し、このような離婚を協議離婚と呼んでいます。
最も一般的な離婚方法で、日本では離婚者全体の約9割で協議離婚が成立しています。

協議離婚の話し合いは、必ずしも当事者2人だけで行う必要はありませんので、夫婦の話し合いが進まない場合には弁護士などに交渉を依頼したりアドバイスを受けることも可能です。
このように、弁護士に交渉を依頼した場合であっても、裁判所の手続きを行わなければ協議離婚になります。
協議離婚のメリットは、お互いに合意できれば直ぐにでも離婚が成立することにあり、手続きも簡素であり費用も掛かりません。また、弁護士に協議離婚の交渉を依頼した場合も、調停や裁判を行うときと比べ費用が安くなる傾向にあります。

ただし、お互いが合意できない場合には離婚を成立させることができないデメリットがあります。
その他にも、お互いの話し合いだけで協議離婚をした場合には、財産分与や養育費などの取り決めが出来ていなかったり口約束の場合も多く、後になってトラブルになることも少なく無いようです。
早期に離婚を成立させたい気持ちも理解できますが、しっかり話し合いを行い取り決めた内容は離婚協議書や公正証書として書面を残すようにしましょう。
離婚協議書と公正証書の違いはこちらをご確認ください。
夫婦の話し合いにより離婚が成立しない場合には、調停離婚とうい方法を検討することになります。

調停離婚

調停離婚とは、裁判所に調停を申し出ることにより、調停委員が2人の間に入って話し合いを進める制度のことです。
調停離婚では必ずしも弁護士に依頼する必要は無く、あなた自身で調停委員を通して話し合いを行い進めることが出来ます。
ただし、調停委員はあなたの味方をしてくれる存在ではなく、あくまでも中立の立場で話を進める役割を受け持ちます。また、調停離婚では裁判離婚とは異なり法的な強制力がありませんので、最終的にお互いが合意できなければ離婚を成立させることができません。

調停離婚では、2人の間に調停委員が入りが話し合いを進めるため、親権、慰謝料、財産分与など調停で合意した内容は調停調書として書面に残り、裁判による判決と同様の効力を持つこととなります。
その他にも、法律の知識がある調停委員が間に入ることにより、夫婦のみで話し合いを行う場合よりも合意ができる可能性が高いメリットがあります。
また、離婚に関する調停は、裁判所で行われますが裁判とは異なり原則非公開で行われます。そのため、裁判離婚とは異なりプライバシーが守られるメリットもあります。

デメリットとしては、調停離婚が成立するまでには最低でも2~3か月程度の期間が掛かり、お互いに妥協できないものがある場合には解決できない場合もあります。
このような事情から、調停を行わずに裁判を行いたいと考える方もいると思いますが、調停前置主義と言い原則として調停を行わずに裁判を行うことはできません。
調停離婚が成立しない場合は、裁判により離婚や離婚条件を強制的に決めることになります。

裁判離婚

調停により離婚の話し合いがまとまらない場合は、残された手段は裁判により離婚や離婚条件を決定する必要がでてきます。
裁判による離婚では、夫婦が「原告」と「被告」という立場に立って争うことになり、最終的な離婚や離婚条件の決定権は裁判官にあります。
裁判には法的な拘束力がありますので、一方が「離婚に反対の場合」や「離婚条件に納得が出来ない場合」であっても、裁判所の判決には従わなければならず、強制的に離婚や離婚条件を成立させることになります。そのため、あなたにとって納得がいく判決が出ない場合でも、裁判所の判決には従わなければいけません。

裁判により離婚を成立させるためには、弁護士費用もそれなりの金額が必要になります。また、最短でも半年以上の期間が必要になると言われており、長い場合には3年前後の期間が掛かる場合もあるようです。
離婚裁判はあくまでも民事裁判になりますので、刑事責任を問う裁判とは異なり必ず最後まで行う必要はありません。裁判中であっても夫婦間で和解が成立した場合には裁判を中止することができます。
法廷離婚時由があるにもかかわらず相手が離婚に同意しない場合や、相手の主張が間違っている場合には裁判により離婚を成立させることも一つの方法となるでしょう。

具体的な離婚交渉の進め方

夫婦が離婚をする時には、先ずはお互いの話し合いによる協議離婚を成立させることを目指しますが、お互いに合意することができない場合には調停により離婚を成立させることを目指します。
裁判による離婚は、お金も時間も掛かるため避けたいと考える方が多いと思いますが、同様に相手も裁判を避けたいと考える方が多いと思われます。
離婚が成立しない原因は様々ですが、冷静に話し合うことが最も大切になります。話し合いで離婚が成立しないケースの多くは、夫婦が対立して意地の張り合いになってしまい、自分の主張を曲げないことが原因で離婚が成立しない場合が多い傾向にあります。
相手に離婚原因がある場合には、感情的になってしまう気持ちも理解できますがお互いに対立することはデメリットが多くメリットは無いと思われます。大人の対応を取り夫婦関係を必要以上に悪化させないことが解決への近道になることがあります。

また、通常より自分有利の離婚条件を主張した場合には、相手も納得ができず離婚が成立しない原因になることがあります。裁判でも認められる妥当な主張をすることで、相手も裁判をしても自分の主張が認められないと考えることが多く、協議離婚や調停離婚に応じる可能性が高くなるでしょう。
相手にとって有利な条件で離婚をする必要はありませんが、一般的に認められる公平な離婚条件を提示して離婚の話し合いをしましょう。

もう一つの離婚が成立しない原因として、浮気やDVなど相手に離婚の責任があり慰謝料を請求する場合です。このようなケースでは、相手が事実を認めないことも多く、その結果こちらも感情的になってしまい交渉が進まない原因になってしまうことがあります。
このようなケースでは、浮気やDVの証拠を事前に揃えておくことで交渉がスムーズに進む場合があります。過去の経験から、浮気の確実な証拠がある場合には、裁判を行っても慰謝料が認められることを相手も理解していますので、慰謝料の支払いに応じる可能性が高くなります。
裁判で認められる証拠を手に入れることは、裁判を行わず話し合いで解決する為にも役立つと言えるでしょう。

離婚をする場合には、お互いの両親が話し合いに参加したり意見を言うことが多くなるでしょう。両親が参加することで話し合いがスムーズに進む場合もありますが、余計に交渉が難しくなってしまうケースも少なくありません。あなたの親があなたの見方をするように相手の親は相手の見方をすることが多く、両親同士の関係が悪化してしまい意地の張り合いに発展してしまう可能性も考えられます。
特に、親権に関する問題については、両親が話し合いに加わることで解決が難しくなるケースが多いようです。
両親を話し合いの席に同席させるかは慎重に判断し、同席させる場合には事前に準備を行うと良いでしょう。

離婚を成立させることは非常に労力が必要で精神的にも辛い場合があります。話し合いや交渉に抵抗を感じたり自信がない場合には、弁護士などの法律の専門家に話し合いを行ってもらうことも可能です。また、浮気など離婚原因の証拠に関しては、探偵などに調査を依頼することで入手できる場合が有ります。
全ての問題を自分一人で解決する必要はありませんので、信頼できる人の力を借りて解決するのも一つの方法です。

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